きょうは風のとても強い日です。
野原に立っているお地蔵さんのひたいに
テントウムシがぶつかってきました。
「お地蔵さんごめんね。風に飛ばされて、ここにうちつけられちゃった。」
「だいじょうぶ?きょうは風が強いから。」
「こんな日は大変なの。体の小さいボクなんかいつもこの調子で....。お地蔵さんは飛ばされないからいいね。」
テントウムシはくやしそうな顔でいいました。
「飛ばされるままでいいんだよ。」
「ええ!なんで?これぐらいの風に勝てない自分が情けないと思いませんか?」
「さからわず風がいろいろなところに連れて行ってくれると思えばいいんだよ。そう考えたら楽しいと思うよ。ワシなんかそうしたくても出来ないからキミがうらやましいよ。」
お地蔵さんはしみじみ言いました。
そんなお地蔵さんの話を聞いていると
テントウムシはくやしい気持ちも消えて何だか心も軽くなったような気がしました。
てのひらメルヘン 村上 保