コトの真相 

あの日は朝から雨だった。

前日庭に出たお婆ちゃんは
草をじっと見ていた事あたしは見逃さなかった。

だから雨の朝あたしは傘をさし草取り開始!
意地っぱりで強気なあたしらしい行動。

それがコトの始まりだった......

2時間かけてきれーに取った草たち。
暑かった〜疲れた〜しむ〜〜
そんな言葉が自然と出た矢先.....

「早からそんなこと言ってどうする」

え?え?え?

2時間しゃがんで草取ってたら疲れるやろ。
当たり前やん。
ふつーやん。
遊んでたって疲れるやん。
疲れたって言ったらあかんの?
ここ家やろ。
癒しの場所やろ。
疲れたとき休む場所やろ。
身体も心も日々疲れるやろ。
子供らでも毎日疲れたって言うよ。
小学生でも大人でもお年寄りでもみんな疲れるよ。
違うの?ねー違うの?

「疲れん」

ふぅーん.......
疲れないんや......
すごいなーえらいなーすばらしいなー
あたしはいろんなことに疲れるわ。
すごいいろんなことにがんばってるつもりやから。

「弱いな」

ちょっと!何が弱いの?
人間みんな弱いやん。
そんな強くなんかないやん。
家で弱音吐かなかったらどこで言えばいいの?
家は家族はそんな存在じゃないの?
この間も同じことであたし泣いたはずや。
何にもわかってない!
どうしてもっと元気になるような事言ってくれんの?
悲しくなることしか言えんの?
そういうとこが嫌いなんや。
いつもいつも同じ事言われて
あたし嫌なんやって!
そういうとこ嫌いやから直して!
直して!!

「松井棒持ってお掃除して走り回ってる元気な松井一代さんみたいな嫁やったらいいのにって思う。」


あーそう....
じゃあ...あたしのこと追い出して。
もっと元気で疲れたって言わない人連れてきてくれていいから....
お願いだから追い出して。

あたしこれでもがんばってるんよ。
前も弱いって言われたから
もうツライとか言えないなって思った。
弱音は吐けないって思った。
だけど...本当は家なんだから弱音吐きたいよ。
どうしてあかんの?
愚痴とか弱音言えない家なんておかしいよ。
そんなの家族じゃない.....

「ただ心配なだけや」

そんなの心配じゃない。
心配してるって気持ちがそれじゃ伝わらない。
伝わらない心配は心配の意味がない。
心が悲しくなるだけや。
ぜっんぜん伝わらん!


あたし悪いけど
もうなーーーーーんにもしないから。





そう吐き捨てて家を出た....



実家の母のところに行った。
着くなり泣いた.....
いっぱいいっぱいになってた。
もう限界だった。
初めてもう帰りたくないって思った。
絶対帰らないって思った。

実家には母も父も弟もいた。
母に聞いてもらってちょっと落ち着いて
細かいこともいろいろ話して
母は....
あんたは偉いと思うよって。
自分ならあのお姑さんとはいられないものって。
だからすごく頑張ってると思うよって。

その言葉だけで嬉しかった。
ただそうやって頑張ってるよって認めてほしかったんだ。
それだけだったんだよ。
ちょっとした言葉だけで元気になるんだよ。
人ってそうでしょ?
言葉って大事で相手を悲しませたらいけないと思う。
心を元気にしてあげる言葉じゃないとね....
母にはあったかい温もりがあった。
昔っからそうだった。
いつだってあったかいんだ。
どんなときもあたしを包み込んでくれてた。
ほんとありがとうなんだよ。


ただ.....
これが父は違ってた。
そんな話をしてるうちに
父はお婆ちゃんと同じことを言い出した。

弱い情けないと。

違う!違うんだよ.....
人はみんながんばってるんだよ。
自分が1番偉いんじゃない。
苦労してきたのはわかるよ。
だけど本当の苦労した人はそれを前に出して言わない。
それに小さい子供だってすごくがんばってて
それは子供相手の仕事させてもらってるおかげで
いっぱい感じてきてることで
日々想い感じることなんだよ。
小さい子からだって学べることいっぱいなんだよ。
いや小さい純粋な子供からだからこそ学べるんだよ。
子供も若い子も素晴らしい人たくさんだよ。
全て勉強なんだよ。
小さいカラに閉じこもって
自分が1番偉いんだなんて思ってたらだめだよ。
全然人の話聞かないくせに....

そしたら父のどんどん顔色がおかしくなってきた。

なんやってかー!
お前のそういう態度がおかしいんや!
婆ちゃんが怒るのはムリない!
お前が悪いんや!

そう言うから
完全に頭にきて

この際!言わせてもらうけど
昔っからそういう人の話を聞かないとこ大嫌いやった!!



そう言ったら思い切り手を上げた父....
母と弟が止めたけど
叩かれる寸前だった....

そんなことしたっておかしいのはそっちだよ。
あたし間違ってないから!

それに.....
あたしはそんなケンカしにきたんじゃない....
ただ話を聞いてほしくて
元気とりもどしたくてきただけなのに.....

最低......

弟は....

お前は間違ってない。
間違ってないけど、もう親父は70過ぎてるんやぞ。
お前にはわからんやろうけど
普段は泣きたくなるほど弱いんやぞ。
情けないなと思うほど衰えてるんやぞ。
年をとるって脳の細胞が死んでいくんやぞ。
当たり前に理解できることでも
年寄りの心は寂しくなってるから理解できないんや。
年をとるって悲しいことなんや....
だからもう突き詰めてケンカしたらあかん。
親父ともそうやけど婆ちゃんともそうや。
お前もわからなあかん。


泣いた.....
号泣した....

父も2階で泣いていた....



ごめん....
言い過ぎた....
家帰るよ...
婆ちゃんにも謝るよ....


俺も悪かった....
ケンカするつもりはなかった....
わかってやれなくてごめん....
お前がほんとかわいいんや....
幸せでいてほしいんや....




帰り道....
家に電話したけど出てこない...
着いてみると玄関鍵閉まってる....
家の中にお婆ちゃんいない....
え?どこに?

お隣の家から声が聞こえた。
お隣のお婆ちゃん98歳。
家で介護されている。
そのお婆ちゃんと話してきたらしい。

「いつかあんな風になるんかな....」

そう言って笑うお婆ちゃん。

「頼むなぁ」って。



泣、泣、泣



後日...
実家にお中元持ってったとき
母が言った。

「お父さん 直すってさ。」


えー?

あ〜あ〜あ〜〜

そんなもん直せるんかいな。

ま、ムリでしょ。

死んでも直らんやろ。

は、は、はー




だって....

あたしもこの意地っ張りで強気なとこ

直せないからね。



多分またケンカすると思うよ。



ケンカでもしないと本音って絶対言えない。
他人ならそこまでのケンカは出来ないよ。
だけど家族でしょ。
だったら納得しないのは嫌。
思いは伝えたいしわかってもらいたい。
全部は理解し合えなくても
できるだけ理解し合いたい。
ほんの少しでもいいから歩みよりたい。

そんな本気の気持ちは....
本気で伝えないと伝わらないと思ってる。

あたしはそう信じたい...


ケンカしたこと後悔してない。

またちょっと距離が近くなったと思ってる。




お婆ちゃんにしたら

とんでもない嫁がきたと思ってるね。

父もきっと

とんでもない娘だと思ってるよ。



旦那さんは....

なーんにも考えてない(笑)
限りなく鈍感な方だからね〜〜〜☆

いいけど。
そこが癒しだから。


娘はすごいよ。

この話をしたら
お母さん!婆ちゃんとケンカしない方法教えようか?と。
婆ちゃんは逆らったらだめ。
とにかく!おだてに弱いからおだてるの。
そしたら調子に乗るから(笑)
てきとーに交わしとけばいいんだよ〜って。
お母さんもそうしなさいって。

はい。わかりました。先生!!

くぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜(泣)

12歳にしてやられたり。

ほんっと情けないわ(−−#)

そしてさらに!!
彼女は言いました。

学校でも大変なんやってと。
相手を分析して対応変えないとあかんのだと。
同じじゃうまくいかないからって。

すご。すごすぎる。

あなたそんなこと考えてるんや〜〜

そら疲れるわな。
学級長さま!たいへんやな。


そして高校生息子にも話した。
話すつもりはなかったが
朝、制服のシャツが洗ってなくて文句言われて...

前日プチ家出してたので忘れてたんだった....

で、それには訳が...って事で話をした。

彼も素直に聞いてくれた。
みんなたいへんなんやなぁ〜って。

俺らの学校でもいろいろあるぞって話になり
友達が回りからいろいろ言われるらしく
一体何が気にいらんのや!って言ったら
回りのおかしな奴らが
「顔がうざい」と。
それで友達ナイスな返ししたんやぞと。
「じゃどうすればいいんや?」と真顔で返したと。
奴らはなーんも言い返せんかったと。
ざまあみろやと。

いろんな人いるし
世の中みんなたいへんなんやってな〜と。

で、お互いがんばろっさって話になった。



なんていうか.....

みんな一生懸命がんばってる。

それだけは....

本当にそう思うんだよね。


[2007/07/18 10:58] 日常 | TB(0) | CM(2)