ずっと気になる子がいる。
とにかく他の子に対してふっかける。わざと。
自分を自分で心地悪い位置へと運ぶ。
彼は言う。
何度もそのセリフは聞かされた。
『俺なんかどーせ嫌われてる。保育園の時から嫌われてるよ。』
自覚してる分なおさら始末が悪い。
自分を自ら追い込んでゆくんだ。
あたしも毎回同セリフを彼に頭っからゆっくりとかける。
『せんせーは好きよ。大好きだよ。』
ぎゅーっと抱きついてくる彼。
手を離さない彼。
小さな声で....... ずっとここにいて。一緒にいて.........
そんな彼の気持ちを彼のママはどれだけ理解しているだろうか。
他のせんせーからの声は
「何聞いても、お前には言わん!とか言う。かわいくないよなー!」
「ほんとにどーもならん!」
心の声を言ってもらえる大人にならないと。
そうじゃないと発信できない。
いや、もし発信してたとしても受信できない。
ボールは投げる姿を見ててこっちに飛んでくると読んで
予測してそれで初めて構えられる。
そうでなかったら
どこから飛んでくるのか
どこへ飛んでいったのか
それ以前にボールが空中を飛んだことさえ
ボールの存在さえも知らないことにもなる。
そんな誰の目にも入らなかったボールは
投げられたまま誰の目にもふれることなく
転がったままになって
いつか忘れ去られてしまうことにだってなる。
遠くへ投げれば投げるほど
投げた本人さえも取りに行く気力もなく放置し
迎えにこないボールはひとり淋しくその場所に佇むしかない。
相手あってのキャッチボール。
ひとりのボール投げほど淋しいものはない。
心を交し合うほど嬉しいことはない。